増え続けるID、パスワードがもたらす負担感

ネットショッピング、旅行予約システム、レストラン予約システムなど増え続けるウェブサービスのおかげで、私たちの生活はとっても便利になりました。

でも、こんな不便さを感じたことはありませんか?

  • 「ネットショッピングサイトと同じ会社で、旅行やレストランの予約サービスが始まったのに、新たにIDやパスワードを登録しなければならないのが煩わしい」
  • 「ただでさえIDやパスワードがいっぱいあるのに、これ以上増やしたくない」

実際に「パスワードをいくつも覚えるのは面倒だから、複数のウェブサービスで同じパスワードを使い回してしまう」という人も多いです。このことは「1つのパスワードが第三者に漏えいした場合、複数のウェブサービスに不正ログインされる危険性が増す」ということを意味します。

実はウェブサービスを提供する側にとっても、新たな予約サービスの提供を始めても「IDやパスワードの新規登録が必要」ということがユーザに負担感を抱かせ、なかなか顧客が増えないという悩みが生じてしまいます。

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SSO導入でユーザの利便性が向上

サービスの利用者に、今以上の負担をかけずに済むようになる仕組みが「シングルサインオン(SSO)」です。SSOを導入すると、サービスを利用しているユーザは、一度のサービス利用認証で、複数の異なるサービスへアクセスができます。認証サーバがチケットを発行し、そのチケットを用いてログインする仕組みのため、ユーザはサービスごとにID、パスワードを登録する必要がなくなるのです。
またサービスを提供する企業側にとっても、サービスが拡大する都度増え続けていたID管理業務が削減されます。

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SSOでビジネスチャンスが増える理由

SSOの導入は新規ユーザ獲得のチャンスにつながります。

サービスを利用するユーザ側にとっては「新しいID・パスワードをわざわざ作成するのは面倒だ」という思いがあります。
総務省が2010年4月に行った調査によると、アンケート回答者全体の90%が、IDの管理に何らかの問題や不便を感じていることが明らかになっています。

IDの管理状況

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1人あたりのウェブサービスID登録数

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※データ出典元:総務省 情報通信政策研究所 IDビジネスの現状と課題(2010年4月)

新しいサービスをリリースする際、「ID・パスワード管理の負担を減らしたい」というユーザの思いに応えて、自社が既に提供しているサービスと同一のID・パスワードで認証ができる仕組みにしておくと、ユーザの負担を軽減できます。

冒頭の例であれば、ユーザが「旅行をしたい」と考えたとき、宿泊予約、レンタカー予約、航空券予約…と旅行に必要なものを揃えていくでしょう。ただ、もしもそれぞれのサイトごとに別のIDを取得せざるを得ない場合、ユーザは「面倒だ」と感じてしまいます。しかし、SSOを採用することで、ユーザは共通IDを利用して各サービスを横断的に利用できるのです。

サービスを提供する企業にとっても、新規サービスのリリースごとに、ID・パスワードの新規登録を求める仕組みのままでは、ID管理のコストが増えるいっぽうです。

SSO導入により、サービスリリースにかかるコストが削減できる分だけ、新規サービスを提供しやすい環境が生まれます。そしてID・パスワード管理の負担感が軽くなったユーザは、新規サービスに登録することの抵抗感も薄くなります。これらの相乗効果がビジネスチャンスの拡大という副産物を生み出すのです。

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グローバルサインブログ編集部

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