電子証明書とは、多要素認証の必要性・文書への署名・Eメールの暗号化など、様々なサイバー犯罪の対策にソリューションを提供するものですが、組織内でインターネットに接続されたデバイスやそれを使用する社員が増えるにつれ、IT管理者が各アプリケーションに証明書を配布するのは非常に大変な作業です。しかしそれが結果として、権限を与えられたユーザのみが証明書をリクエストでき、1枚1枚の証明書の更新日を管理し、情報漏えいの心配が無いセキュリティを確立することになるのです。

このブログでは、PKIに必須とされる厳格かつミスの無い管理にいかにマネージドサービスの利用が役に立つか、いかに管理者が繰り返し行う作業を軽減するかをご説明いたします。大きな3つのメリットは以下になります。

1.管理の集中化

中小企業の場合も、大多数の部署や社員が存在する大企業の場合も、マネージドPKIソリューションはクリックひとつで証明書の発行・キャンセル・更新・再発行・失効を実行できるワークフローを構築できます。

ほぼすべての認証局が、24時間365日アクセス可能で、1ヶ所ですべての証明書ライフサイクルを管理できるSaaS型プラットフォームをサービス提供しています。つまり、どんなアプリケーションが利用されていたとしても、組織全体で1枚1枚の証明書をチェックできるのです。これ以上簡単な証明書の管理はありません。証明書を入れていることを忘れていたため有効期限を切らしてしまうというミスを起こすことはなくなるでしょう。

2.管理の委託

組織には電子証明書の配布に関連する社内外の担当者が多数いる場合が多いものです。24時間管理され、システム停止が一切起こらないことを要求される基幹業務アプリケーションを常時稼働させるにあたり、マネージドサービス自体は誰でもアクセス可能です。それでいて、役割と権限は重要なシステムにアクセスできる権限を持ったユーザのみに割り当てることができるのです。例を挙げると、伝票や請求書の特権は経理マネージャーにアサイン、証明書発行の権限はIT管理者にアサイン、などの使い方ができます。

つまり、電子証明書の管理責任を1人にまとめる必要は無く、それでいて複数名の管理者は厳格なコントロールを確立できるのです。

3.時間とコストの節約

組織の拡大に伴い大量の証明書を利用するにつれて、コストと人員もそれに付随して増えていきます。

証明書を毎回オーダーするたびに、会社は認証局の審査を通さなければなりません。このプロセスはアプリケーションごとに繰り返されます。マネージドサービスを利用すれば、会社プロフィールは事前に審査済みのため、即時に証明書を取得できます。結果として会社書類の提出回数が大幅に減り、作業量が軽減されます。

これらのメリットをもとに、電子証明書マネージドソリューションは運営コストを大幅に削減します。それでも不十分であれば、認証局は概ねまとめ買いディスカウントを提案するので、対象となる場合は全体的に時間とコストを節約できるでしょう。

一握りのユーザしか電子証明書を利用しない場合でも、証明書ライフサイクルのマネジメントソリューションがコストの割に合うようになるまでは驚くべき速さです。

人的作業で証明書を申請・管理するのと比べて時間を節約できるだけでなく、十分なコントロール、すべてのデバイス・アプリケーション・ユーザに対して、セキュリティ対策の向上をお約束します。

トピック関連記事

#

2017年11月08日

社内外で急速に普及しつつある「多要素認証」の利用シーン

#

2021年04月06日

不正アクセス事例から学ぶ、VPN接続のセキュリティ強化

#

2023年09月12日

Microsoft Entra ID(旧 Azure AD)へのハードウェアセキュリティキーを利用した証明書認証の認証イメージ

この記事を書きました

Lea Beilcke

Lea Beilcke
所属:EMEA Marketing Manager, GlobalSign Inc.