導入の背景・目的・課題
ビジネスで活かせる民間資格の認定試験を行っているM社は、現場で必要となるスキルを習得するための指標になるよう、各業界の専門家たちとも連携して知識や技術を資格化しています。以前は試験日を決めそれにあわせて全国で会場を確保していましたが、新型コロナウイルスの影響から受験者が激減し、実技が伴わない試験に関しては、オンライン試験に変更することになりました。
各会場に派遣されていた社員も外出せずに各試験を実施できるようになりましたが、合格証書はこれまで通り紙に印字されたものを封書で送付していました。紙の合格証書は経年劣化や紛失も多いことから、M社では合格証書のデジタル化を検討することになりました。偽造防止のため合格証書には隠し文字を入れていましたが、デジタル化した場合どのように対応すべきか、システム担当のF氏は情報収集をはじめました。
導入までの経緯
合格証書を電子化しても「発行元証明」および「偽造防止」ができることが最低限必要だと考えたF氏。検索していたところ、上位でヒットしたグローバルサインが提供している文書署名用証明書(AATL証明書)であれば、PDF文書に署名を施すことで、「いつ」「だれが」作成したものかを証明し、改ざんが検知されるため悪用を防ぐことができるとわかり、早速、問い合わせてみることにしました。
返答の結果、文書署名用証明書であれば最低限の要件は叶うことがわかりましたが、受験者数の多い試験では合格者数も数万人単位になることもあり、そうした場合、1枚ずつ電子署名を入れていくのは現実的ではありませんでした。するとグローバルサインの営業担当に「合格証書を発行するための基幹システムと“電子印鑑ソリューションDSS”をAPI連携することができれば、貴社のシステムに電子署名機能を付帯させることができるため、試験が重なる時期や受験者数が多い場合でも関係なく、電子署名を付与した合格証書を大量発行する仕組みが構築できます。」と説明されました。
実際に電子署名機能を自社で構築するとなると、専門知識もなく開発に時間も莫大なコストがかかってしまうため、認証局であるグローバルサインのノウハウを頼った方がよいと考えたF氏は、DSSの検証用アカウントで合格証書の発行システムに連携できるかを試してみることにしました。その後、数週間の検証期間を得て、デジタル合格証書の発行を確認でき、DSSの導入を決定しました。
導入して良かった点
導入後の稼働状況についてF氏は「検証期間中にサンプルコードをいただきコーディングはスムーズに進めることができました。実際に自分たちだけでやっていたら、コーディングもこんなに早くできていなかったと思います。試験から合格証書の送付まで全てがオンライン完結できるようになったことで、印刷や発送費用が署名費用のみになり、これまでかかっていたコストを80%ほど削減できました。合格者の方からも、紛失のリスクがない点や資格の証明を求められた際にも提示がしやすいことから、合格証書のデジタル化には好意的な意見が多いです。」
M社は今後、オンラインではない試験もデジタル合格書への変更を進めていかれるとのことです。
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※本活用例は、お客様からのご相談や商談をもとに作成したフィクションになります。