導入の背景・目的・課題
アメリカの教育関連の証明書をオンライン管理するソフトウェアのリーディングカンパニーであるQ社は、紙の卒業証明書や資格証明書、成績証明書を電子化し、オンライン管理への移行
機関で証明書における重要な点は、偽造されない「文書セキュリティ」です。紙の資格証明書、成績証明書に対しても偽造防止機能を組み込み、ホログラムや透かしなどを安全に管理できるよう、教育機関は長い時間をかけて、文書の保護や詐欺被害の最小化、ブランド保護への取り組みを行ってきました。そのため、電子化したとしても、同レベルの保護が求められました。
導入までの経緯
を推進しています。日本では就職のとき卒業証明書は必要とされても成績は問わない風潮がありますが、アメリカでは卒業証明書だけでなく成績証明書や資格証明書が就職に影響し、役職や給与にも反映されます。そのため、教育
顧客である教育機関のセキュリティ基準を満たしつつ、自社プラットフォーム上で簡単に利用できるよう、Q社はGMOグローバルサインの文書署名サービスを検討していました。デジタル署名が文書を証明し、内容に対して改ざん防止の封印をすることで、改ざんの有無が確認でき、かつ文書の出所を証明することで、受け取った側は教育機関から正当に発行されたものだとわかります。また、文書作成日時を証明するタイムスタンプが付与されます。
当初、Q社は大量の署名やタイムスタンプに耐えうるため、自社HSMの利用を検討していました。その場合、文書の証明や保護に利用する文書署名用証明書やタイムスタンプは、クラウド上ではなくオンプレミスでの管理となるため、冗長化やバックアップを必要とするなど、メンテナンスチームの負荷が懸念されました。そこへGMOグローバルサインが、クラウドベースの電子印鑑ソリューション「DSS」の提供開始を発表しました。「DSS」であれば同等の大量署名の機能をハードウェア管理なしで実現できるため、Q社には理想的なソリューションでした。
導入して良かった点
電子署名を利用する際に必要なあらゆる暗号化コンポーネント(構成要素、部品)を「DSS」の場合、1つのRESTful APIの呼び出しによって提供できるため、Q社は署名に関する開発を省き、自社サービスの技術的な作業に集中することができました。
その後、無事サービスリリースに至ったQ社。開発担当のP氏は「我々のゴールは、教育機関やその学生個人が簡単に教育関連の電子資格証明書を送受信でき、かつ必要不可欠な要素としてセキュリティも担保されているということでした。高等教育機関が発行する証明書を、その原本性を証明したPDFにして提供するアメリカ国内初のベンダーでして、年々その需要は高まっています。幼稚園から高校、大学レベルまで、オンラインで証明書を利用する教育機関から“電子署名によるセキュリティ”が期待されるようになり、文書の信頼を意味するものだと認知されてきています。」とお話くださいました。
日本でも今後、学位記や成績証明書といった学習歴の証明書がPDFで発行され、卒業生は進学・就職先と情報の共有を容易に行うことができるよう、教育機関における電子データの活用が期待されています。
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